新製品開発成功講座
◆第1回未来質への挑戦
不況が続くと開発担当者は、どこの会社でも消極的になってしまいます。しかし、不況の時こそ競争相手も何を作ったらよいか困っています。むしろ不況は開発者にとっては絶好のチャンスになります。このチャンスをものにするには、現在市場にある商品・製品、事業システムなどのリスク(不便、不都合、疑問)を洗い出し、チャンスに変換することが重要な意味をもってきます。もちろん、未来のあるべき製品を創造し、それに合った開発姿勢も同じように重要です。リスクとチャンスを複眼的にチェックすることが不況期における新商品・新事業開発のポイントです。リスクの裏にはチャンスあり、チャンスの裏にはリスクあり、です。現在市場で目にする商品の多くは過去の質をもったものであり、その過去質の影としてリスクが目に見えない形で忍び寄っております。
例えば、目覚まし時計には、一人が早朝に起床する時間に目覚まし機能を合わせておくと隣で寝ている人までも強制的に起こしてしまう、というリスクが発生しております。
そこで、2つの時間帯に分けて目覚まし機能を発揮させる新しいタイプの時計が必要になります。あるいは、朝5時に起きる人だけを必ず起こしてくれる目覚まし時計があれば最高でしょう。未来質の中身は、リスクであり、そのリスクを分析するとニーズやウオンツにつながるということであります。
商品・製品のリスク、システムのリスク、情報のリスク、金のリスク、人のリスクを徹底的に洗い出し、それをチャンスに変換することが日本企業の開発現場の方々に必要とされております。将来が見えないということは、現在のリスクが見えないということと同じことであります。リスクは、目に見えにくく、そして顕在化していても誰も気がつかない場合があります。奥深くもぐりこんでしまえばさらにリスクを発見できません。そして、リスクが目に見えるようになった時には、すでに競争に破れていることを意味します。
未来は予測するものではなく、未来は創造するものであります。自分で未来を創っていくことがこれからの新しい21世紀における基本的姿勢となります。それには、従来の習慣、知識、規則を客観的に見て、どこにリスクがあるかを冷静に分析することが重要であります。学生時代の知識は、とっくに役立たなくなっております。常に、世の中を変化の連続と見ること、そしてその変化を先取りする姿勢が求められております。そのためにも是非、未来質に挑戦し、その姿を浮き彫りにすることであります。いつも同じ考え方、いつも上司の言いなり、いつも親会社の言いなりでは、明日の産業は育ちません。
未来質を追いかけ、未来質を実現させることが不況脱出のカナメであります。企業の未来質、組織の未来質、事業の未来質を大いに考えようではありませんか。
注)未来質/現在や将来のリスクを発見、予知し、それを解消することで将来の確かな製品・サービスを発見するノウハウ
