第2回

◆第2回 過去質・現在質・未来質
モノの質は、過去、現在、未来という時間の流れの中でとらえたほうが分かりやすいことが
あります。つまり、今我々の目の前に置かれている製品の数々、サービスの数々、システ
ムの数々は今という時点よりも昔に誰かが考えた質であります。例えば、冷蔵庫、テレビ、
掃除機、カメラなどの日用品、糖尿病患者のめの料理宅配便、コンピュータシステムなどは今我々の目の前に存在しております。
 それは、どこかの企業の開発者が今より前の過去という時点に創造した新製品であった
わけです。もちろん冷蔵庫やテレビなどには、いろいろなタイプの製品が存在しております。また、開発者は、毎年製品を差別化しておりますから、毎年、冷蔵庫の新製品が市場に出されております(冷凍室の大きい冷蔵庫など)。
 つまり、現在市場に存在する製品は過去に誰かがその時の新しい考えのもとに差別化さ
れて誕生した過去の製品であるわけです。今、目の前で見ている製品群、サービス群、システム群は全て過去のコンセプトで出来上がった過去の製品であるわけです。現在目にする過去の製品群などは少なくとも現在時点では過去の産物であります。それでは、現在の質とは何でしようか。それは、過去の製品群の裏に目にみえない影として存在するリスク
(不便、不都合、不満、不快、不審などの総称)として考えられます。
 そのリスクを過去の製品群から排除ないし解消することによって将来の品質が具体的に
目にみえてくるわけであります。過去の製品群の裏に影としてまつわるリスクを解消した
もの、それが未来質であります。つまり、過去の製品群のリスクを360度の視点から発見
し、それがユーザーのニーズに合ったものがヒットするわけであります。大きなリスクほ
どヒットにつながるチャンスも大きくなります。ポストイットもチョイソルも皆大きなリスクをかかえておりました。ポストイットは、従来の付箋は、一度貼ると剥がれず、剥がしても下地を汚すという面倒くささというリスクを持っていました。それがポストイットであれば簡単に貼って、簡単に剥がす、しかも下地が汚れないというメリットがありました。また、チョイソルという500円シェーバーは、従来の重たい、携帯できない、大きいというリスクを解消し、携帯していれば、何時でも、どこでも剃れるという便利さを実現しました。それは、製品群が過去に持つリスクという現在質を解消して誕生してきたものであります。
 つまり、ヒット商品を作りたい人は、過去の製品群の中に現環境の中でどんなリスクがあるかを体系的、科学的に発見するための手法を持つことであります。また、過去質の製品群が未来の環境の中でどのような使われ方をするかを追求しながらリスクを発見する方法もあります。
 これは、シルバー商品群、環境製品群、セキュリティ製品群などの場合には、将来の社
会構造、意識構造を創造的に開発し、それに対応するための新製品づくりが要求されます。
 何がリスクか、何がチャンスか、を見極めるリスク眼を持ちましょう