第10回

◆第10回健康・医療分野
 日本における65歳以上の全人口に占める割合は、2020年には25.5%になるという予測が出されている。各企業は今から高齢化社会に売れるシルバー商品の開発に躍起となっている。シルバービジネスはかっては100兆円ビジネスと騒がれた時期もあったが、その時は失敗に終わっている。つまり、まだ、「自分はシルバーではない」という意識がデパートでのシルバーコーナーへの抵抗感となってあらわれていた。そのためシルバー商品は殆ど売れないで終わった。人間はいつまでも若く、そして長生きしたいという願望を持っている。年寄り扱いに対する嫌悪感をどの程度減らせるかがポイントなる。
 しかし、2000年に向けて現実感として高齢化社会には、高齢者介護、医療、健康事業がますます元気になることがはっきりしてきた。これからの健康・医療事業には、常に明るさ、希望、安らぎ、楽しみ、安心、安全がキーワードになる。明るいイメージで医療機器、病院環境、介護、健康機器をまとめてゆくところに大きなチャンスが生まれる。決して暗いイメージを持ってはならない。シルバー専門のバー・クラブ、シルバー向けストレッチ体操、健康維持のために大声発生訓練機、免疫力向上のための大笑い健康機、シルバー・ヤング交際パーティー(援助交際ではない)、健康食レストラン、生前葬儀シミュレーション、シルバー用健康ホテル、60歳以上の人が経営するソフト会社、などいろいろなシルバー事業が考えられる。
 また、病院へ行く前に自分で健康度合いをチェックできる機器などがこれから流行る。例えば、血圧計、体温計、血糖値測定器、など病院へ行かなければ判断できないことが、自分で測定できようになった。予防医学の分野の製品はますますこれから発展するであろう。いまや浄水器、空気清浄器、ランニング機械、マッサージ機などもどんどん家庭に入りこんできている。シルバー産業が100兆円産業に育った時には、日本経済は再び成長軌道に乗ることは間違いがない。
 ただ、今は将来の心配に備えて貯蓄性向を高めているが、いずれ「お金はあの世に持って死ねない」という意識が普遍化すると、人間は明日の健康のために自分の貯蓄を消費に向けることに間違いない。ただ、現在のように将来的にデフレ不安、政治不安、教育不安など不安だらけの社会ではなかなか意識変換も難しい。そこで、新しい人間観、新しい日本人の意識を教育によって時間をかけて醸成することである。結局、消費性向は、われわれ人間の意識との相関関係にあるから、将来への明るい希望、明るい見通しを持つことが望まれる。そのためには教育が全ての鍵を握っていることになる。
 戦後、日本は戦争を放棄し、経済活動に専念した結果、世界で第2位の経済大国まで成
長した。しかし、相次ぐ不祥事、不正支出、など本来の経済の実力ではなく、裏の手を使って企業経営を動かしてきた結果、市場が日本の経営者に見切りをつけたわけである。そこで、われわれは、再び原点に戻って、正しい競争原理のもとに企業競争をすることが今の日本経済を正規の道に戻す道筋となる。健康医療事業の発展もこのような姿勢のもとに展開されるべきであろう。