第12回(最終回)

◆ 最終回
21世紀の開発手法
未来質管理

未来質管理という言葉は、今から20年前に小生が創ったものであります(商標権登録済)。当時、リスクマネジメントを使った新製品開発・新規事業開発を進めていたところ、リスクマネジメントは、地震、テロ・誘拐などに使われる場合が多く、開発には適切でないと思い、2年以上もかけて未来質管理という言葉を創ったわけであります。それは、未来という発想から、未来の質を管理する、まとめて未来質管理と命名したわけであります。銀行の方には未来質というとミライシチか、よく聞かれます。質とは価値を持ったものであり、質屋の質も価値をもったものであり、シチでもかまいませんが、ここではシツと読みます。現在、日本企業のトップテンを除いては、新製品開発の手法といっても体系的なものを持っておりません。特に企画部などでは、ほとんど体系的な企画手法がありません。あったとしても、過去のどこにでも存在する手法の集大成で終わっております。そこには、リスクとか危機という観点から製品開発をながめるということは絶対にありません。
 特に大手企業の現場では、現在作っている製品づくりに追われているから新製品開発をする場合のアイディアは大変乏しいと言わざるをえません。特に技術に至っては、できる技術しかやらない、というのが大半であります。開発はできないからやるのであって、できないからやらない、というのは技術開発の手法がないからであります。何故そのような考え方になってしまうかというと、日本企業の今までの技術開発は欧米に存在している既存技術の物真似をしてきましたから、手本がないとその先できない、ということになるのです。つまり、新しいアイディアを製品化する場合、過去にそれに関する技術があればできる、なければできない、という発想になります。新製品開発はできないからやるのであって、できるからやる、のではないということを明確に認識するべきでしょう。
 この点を日本の企業は「技術的にできないから推進する」という姿勢に変えないと欧米企業にこれからは負けてしまいます。そのために未来質管理を勉強し、研究することが必要なのであります。未来質管理は、一つの機能を達成するのに多くの技術の方式を発見し、一番効率的、創造的、コスト安、の方法を選択するのであります。例えば、カーテンを自動的にリモコンで動かしたいという場合には、リニアモーター方式、ワイヤー方式、スクリュウ方式、その他の自動方式を発見する方法が未来質管理であります。どんなアイディアにもそれを実現するための技術があります。その技術にも複数の技術があります。その複数の技術を発見しないで、目先のたった一つの技術で対応すると、レベルの低い技術で対応することになり、出来上がった新製品にも感動がありません。未来質管理には一つのテーマについて無限のアイディアを発見するための方法がたくさんあります。
 これからの21世紀に向けて、単発的なアイディアは勝負にならず多発的なアイディアの選択の時代になることを認識するべきです。それが未来質管理の一つの強みでもあります。
 本講座を熟読し、さらにご質問があれば「お問い合わせ欄」から自由にお尋ねください。
最後に皆さんのご健闘を祈念しております。
(この講座はすべて株式会社未来質中央研究所に©所有権があります。)