「NEC世界最薄の携帯「ヒラメ」のヒット性を占う」
パナソニックモバイルコミュニケーション株式会社がまだ松下通信工業株式会社という商号であった2002年に世界最薄というふれこみでムーバP504iを発売した。
厚さ16.8ミリという当時の携帯電話では確かに薄いという感触を受けた。
あれから3年経ち、今NECが世界最薄11.9ミリの携帯電話機を開発し、まず香港で発売され、豪州、ロシア、中国と展開されるようだ。
かって商品は軽薄短小というコンセプトにカメラ、ラジオ、テレビを始め、携帯品、家庭内商品に広がった。商品は軽くて、薄くて、短くて、小さいことで競争力がつくという神話が誕生した。
現在でも薄型テレビはヒット商品の中枢にある。それほど薄いというコンセプトが受けている。タレントもやや薄型のフェースがもてているようだ。さて、薄型携帯電話はパナソニックモバイルコミュニケーション株式会社では成功したのであろうか。当時の携帯電話メーカーは薄型には関心がなく、カメラ付携帯など携帯電話の機能競争の真っ最中であった。あまりマーケットでの話題もないまま現在に至ってしまった。
そこでNECが世界最薄11.9ミリにこだわる理由は何か。
薄型携帯であれば重量も軽くなり、軽薄は実現できる。その結果持ち歩きで便利になり、ポケットにも納まりやすい。
サムスン13ミリ、モトローラ13.9ミリ、ハイアール14.4ミリという各社のラインアップであるが、1ミリの違いがエンドユーザーの気持ちを変化させるだけのインパクトもつのだろうか。薄型の技術で勝負する意図がどこにあるのか。問題はユーザーは携帯電話に何を求めているのか。
ストレート型に始まり、折り畳み式、カメラ付、など大きく携帯電話のコンセプトが変化している。ここで超薄型携帯電話が主流になれるか、というのが今月のテーマになります。薄型でユーザーのどんなリスクを解消しようとしているのか。逆に手のグリップ感が悪くなるのではないか。欧米人は手のひらが大きいわりにむしろ手のひらの納まるほどの小さな携帯を好んでいる。彼らに聞いたら「小さいほうが使いやすい」という。
薄型にするという意味は、ボタン操作で指の動作に制限を加え、薄型画面での不安定性が出るのではないか。持ちやすさという点では、あまり薄くて四角張っているとグリップ感に不安定感、不安感が出てきて操作中に精神状態が緊張するというリスクが出てくる。
その意味では携帯の操作面でのリスクが解消されないと11.9ミリの薄型携帯電話機は市場での波に乗れないと思う。
(日経産業新聞2005−9−27より)
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