第2のウオークマンはリスクの発見と予知にあり!

 第2のウオークマンは誕生するか

 ソニーがウオークマン以降ヒット商品を出していない、とよく言われる。
ウオークマンは、当時録音機は持ち運こぶほど小さくもないし、ニーズもなかった。

 ウオークマンは歩きながら音楽を聴き、電車内で英会話を勉強し、場所と時間を問わず使える。人間の活動範囲を飛躍的に拡大した。日常生活の景色を変えたという点で革新的商品であった。

 今では持ち運ぶものはなんでも軽薄短小の商品が当たり前の世の中になった。
半導体の進化がすべての商品を小型に姿を変えることが可能となった。

 ウオークマンはニーズが先にあったのではない。ポストイットノートパッドも先にニーズがあったのではない。ニーズを創りだしたのだ。それは消費者の利用シーンを製品が作り出すという構図である。

 現在、「ないものはない」というモノ過剰時代の中でやはりヒット商品を開発する要は日常生活にどんなリスクがあるかをいち早く予知することである。

 リスクを発見し、予知することがヒット商品を誕生させるキーワードである。

能率手帳は何故売れ続けるのか?

日本能率協会「普及版 能率手帳」の隠れたヒット理由はこれだ!

 12月から1月にかけて書店の店頭では多くの手帳が溢れかえる。

過去に手帳がヒット商品になった時代があった。システム手帳、バインダーでリフィルを貯めるビジネス手帳、ザウルスのような電子手帳など手帳市場が活況をおびた時期があった。

 最近は、すっかり手帳ブームも去ってしまい、成熟製品の仲間入りをしてしまった。
しかし、依然として能率手帳は売れている。私も20年以上も「普及版 能率手帳」を使っている。

 どこにヒットの原因があるのだろうか。体裁はきわめてシンプルである。
1年ぶんのカレンダー、月間予定表(1ヶ月の概括表)、月別予定内容の記入帖、罫線つきメモ帖、情報提供機能(テレフォン情報、年齢早見表、度量衡換算表、印紙税額一覧表、使い方、来年のカレンダー、日本鉄道地図)、アドレス帖がついたもので特に工夫されているところはない。

 ただ、手のひら全体で持てる大きさであること、背広のポケットに入る厚さであることが特徴だ。20年来同じコンセプトで生きながらえてきている。こんなに工夫がなく、革新性のない手帳は珍しい。

 ところが売れている。何故か。手帳は各人が使いながら自分なりのノウハウを入れて使い勝手を決めている。あまり自由度を縛る手帳は使いずらい。基本的な要件を満たしていればそれでよい。それでは全部白紙の手帳はどうか。それではあまりにも自由度が大きすぎて使えない。

 そろそろ新しい革新的な手帳の出現が待たれる。

ビタミン増量冷蔵庫で冷蔵庫は変わるか!

2005年11月8日

 三菱電機が「ビタミン増量野菜室搭載冷蔵庫」を開発し、2004年国内冷蔵庫出荷シェアーで6位から2位に浮上したという。この冷蔵庫は鮮度を「保つ」から「ビタミンを増やす」という前向きのコンセプトでできている。その手法は庫内の光源にLED照明を使うことでビタミンが増量するという、きわめて簡単な発想である。
 消費者の健康志向に便乗したアイディア商品である。
そのうち冷蔵庫の中で野菜が育つ、冷蔵庫の中でビールがウイスキーの味に変身する、冷蔵庫の中から「賞味期限切れ」と声がする、冷蔵庫の取り出し棚をそのまま取り出し刺身がほどよい温度で食べれる、などなど、変形冷蔵庫がでてきそうだ。
 電話機つき冷蔵庫は台所で忙しい主婦にはありがたい。調理中に電話があれば、さっと受話器をとれる。
 両面開閉冷蔵庫は前と後ろから取り出しができる。コンプレッサーなどは側面に置く。
食堂と台所の両方から取り出しができるし、酒飲みにはもってこいの冷蔵庫だ。
いろいろな冷蔵庫のアイディアが株式会社未来質中央研究所には沢山あります。

NEC世界最薄の携帯フラットフィッシュ(ヒラメ)のヒット性を占う

「NEC世界最薄の携帯「ヒラメ」のヒット性を占う」

 パナソニックモバイルコミュニケーション株式会社がまだ松下通信工業株式会社という商号であった2002年に世界最薄というふれこみでムーバP504iを発売した。
厚さ16.8ミリという当時の携帯電話では確かに薄いという感触を受けた。
 あれから3年経ち、今NECが世界最薄11.9ミリの携帯電話機を開発し、まず香港で発売され、豪州、ロシア、中国と展開されるようだ。
 かって商品は軽薄短小というコンセプトにカメラ、ラジオ、テレビを始め、携帯品、家庭内商品に広がった。商品は軽くて、薄くて、短くて、小さいことで競争力がつくという神話が誕生した。
 現在でも薄型テレビはヒット商品の中枢にある。それほど薄いというコンセプトが受けている。タレントもやや薄型のフェースがもてているようだ。さて、薄型携帯電話はパナソニックモバイルコミュニケーション株式会社では成功したのであろうか。当時の携帯電話メーカーは薄型には関心がなく、カメラ付携帯など携帯電話の機能競争の真っ最中であった。あまりマーケットでの話題もないまま現在に至ってしまった。
 そこでNECが世界最薄11.9ミリにこだわる理由は何か。
薄型携帯であれば重量も軽くなり、軽薄は実現できる。その結果持ち歩きで便利になり、ポケットにも納まりやすい。
 サムスン13ミリ、モトローラ13.9ミリ、ハイアール14.4ミリという各社のラインアップであるが、1ミリの違いがエンドユーザーの気持ちを変化させるだけのインパクトもつのだろうか。薄型の技術で勝負する意図がどこにあるのか。問題はユーザーは携帯電話に何を求めているのか。
 ストレート型に始まり、折り畳み式、カメラ付、など大きく携帯電話のコンセプトが変化している。ここで超薄型携帯電話が主流になれるか、というのが今月のテーマになります。薄型でユーザーのどんなリスクを解消しようとしているのか。逆に手のグリップ感が悪くなるのではないか。欧米人は手のひらが大きいわりにむしろ手のひらの納まるほどの小さな携帯を好んでいる。彼らに聞いたら「小さいほうが使いやすい」という。
薄型にするという意味は、ボタン操作で指の動作に制限を加え、薄型画面での不安定性が出るのではないか。持ちやすさという点では、あまり薄くて四角張っているとグリップ感に不安定感、不安感が出てきて操作中に精神状態が緊張するというリスクが出てくる。
 その意味では携帯の操作面でのリスクが解消されないと11.9ミリの薄型携帯電話機は市場での波に乗れないと思う。
(日経産業新聞2005−9−27より)
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